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IT・AI

中小企業のDXが進まない本当の理由|IT化でつまずく5つの理由と、地味な「仕組み化」という近道

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「DXを進めたい」という相談は増えているものの、実際に現場に入ってみると、多くの中小企業がDXどころか、その手前の「IT化」の段階ですでにつまずいています。本記事では、中小企業診断士として現場で数多く見てきた、IT化・DXが進まない5つの実例を紹介します。そのうえで、本当のDXは派手なシステム導入から始まるのではなく、地味な「仕組み化」の先にあるという結論を、実務の視点から解説します。

この記事でわかること

  • 「IT化」と「DX」の違い、そしてIT化がDXの土台である理由
  • 中小企業がDXよりも手前の「IT化」でつまずいている実態
  • 現場でよく見る、IT化・DXが進まない5つの具体的な理由
  • システム導入を成功させるために欠かせない「仕組み化」という考え方
  • AIの進化によって、中小企業のシステム開発がどう変わりつつあるか
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みなさんこんにちは!中小企業診断士の春原です。

最近、「DXを進めたい」というご相談を、経営者の方からいただく機会がぐっと増えてきました。ただ、実際に現場に入ってみると、だいたい同じようなところでつまずいているんですよね。今回は、そんな現場のリアルを、実例を交えながらお話ししていきます。

そもそも、DXって何?

まず、「DX」という言葉、なんとなく使っていませんか?中身を整理しておきましょう。

  • IT化:これまでアナログでやっていた業務を、デジタルツールに置き換えること(紙の帳簿をExcelにする、手書き伝票をシステム化するなど)。あくまで「今のやり方」をデジタルに置き換えるだけの話です。
  • DX(デジタルトランスフォーメーション):デジタル技術を使って、業務のあり方や競争力そのものを変えていくこと。IT化は、DXを実現するための手段の一つにすぎず、それ自体がゴールではありません。

つまり、IT化はDXの土台であり、出発点。この前提を踏まえて、中小企業の現場を見てみましょう。

なお、経済産業省が2018年に発表した「DXレポート」では、この移行が進まないままレガシーシステムを使い続けた場合、2025年以降に大きな経済損失が生じる可能性があるという、いわゆる「2025年の崖」という課題も指摘されています。この言葉を耳にしたことがある経営者の方も多いのではないでしょうか。ただ、実際の現場で起きている問題は、こうした大きな話以前の、もっと足元のところにあることがほとんどです。

中小企業の現実:IT化すら、うまくいっていない

本来、ITって中小企業にとって、大企業に負けない武器になり得るはずのものなんです。少ない人数で多くの業務をこなさなければならないからこそ、ITによる効率化の恩恵は、大企業以上に大きいはずなんですよね。

でも、実際に現場でご相談を受けていると、多くの会社が、DXどころか、その手前の「IT化」の段階ですでにつまずいています。「DX」という言葉ばかりが先に走ってしまって、中身は旧来のやり方をシステムに置き換えることすらできていない。これが、正直なところの実態です。

一般的にDXが進まない理由としては、経営層のDXへの理解不足や、IT人材の不足といった点がよく挙げられます。もちろん、これらも大きな要因の一つです。しかし、実際に中小企業の現場に入ってコンサルティングを行っていると、それ以前の、もっと具体的で構造的な「つまずきパターン」が繰り返し見られます。ここからは、そんな中小企業のIT化・DXが進まない理由を、5つの実例とともに見ていきましょう。

DXが進まない理由

①システム導入が目的になっている

国のDX推進の後押しもあって、「うちも何かIT化しないと」というご相談を受けることが増えました。でも、具体的に何をどうしたいのか聞いてみると、「とりあえずシステムを入れたい」「今、システム化する必要があるのかもよくわからないけど、周りが進めてるので」というお答えが返ってくることが、実は結構あります。

もちろん、社内にITアレルギーの強い従業員が多くて、「まずは慣れてもらうこと」自体を目的にしているなら、それも立派な狙いです。でも、多くの場合はそういう明確な狙いがないまま、「とりあえず入れたい」という要望が先行しているんですよね。

システム導入の直後って、一時的に業務負荷が上がるものです。目的が曖昧なまま「とりあえず」で導入してしまうと、その負荷に見合う効果を得られず、結局アナログ処理が混在したままになって、かえって非効率になってしまう。こういうケース、本当によく見かけます。

②業務に合わない「汎用システム」を入れている

システム選びの段階でも、つまずきが起こります。特に多いのが、「価格が安いから」という理由だけで、汎用的なシステムを選んでしまうケースです。

汎用システムは、たしかに導入コストを抑えられます。でも、その分、自社の業務フローに合わせたカスタマイズはされていません。結果として、「システムはあるけど、自社のやり方と微妙に噛み合わなくて、かえって使いづらい」という状態に陥ってしまいます。①の「とりあえず導入」の延長線上で、このミスマッチが起きているケースも少なくありません。

③業務プロセスや仕組みが見える化されていない

そもそもの話、IT化って「アナログでやっていた業務を効率化すること」「数値を見える化すること」が目的のはずです。逆に言えば、業務プロセスや仕組みそのものが曖昧な状態では、IT化のしようがないんです。

この前提を無視したまま①②のようにシステムを導入してしまうと、実際の業務に合わないシステムになってしまい、結局「半分アナログ、半分システム」という、かえって非効率な運用になってしまいます。

ここで、もう一歩踏み込んでお伝えしたいことがあります。それは、「業務プロセスが見える化されていない」だけじゃなく、そもそもその業務プロセスや仕組み自体が非効率で、変える必要があるケースも多い、ということです。今のやり方をそのままシステムに置き換えようとするのではなく、「このやり方自体、本当に必要?」と見直すところから始めなきゃいけない場面が、実務では本当によくあります。

④既存システムとの衝突

すでに何らかのシステムを使っている会社が、別のシステムへ移行しようとする場面でも、大きなハードルがあります。

まず、システムそのものの問題として、これまでの使い方が良くなかったせいで、必要なデータがきちんと入力されていなかったり、移行に必要な形でデータを出力できなかったりすることがあります。

さらに、既存のシステムに慣れている従業員がいると、新しいシステムへの切り替えは、一時的に従業員の労力を倍増させてしまいます。「今のやり方に慣れているから」というだけの理由で、新システムへの移行が現場から敬遠されてしまうことも、決して珍しくありません。

⑤システムがルール通りに運用されていない

最後は、システムを導入した後の運用段階での問題です。

意外と多いのが、システム側が想定していない使い方をしてしまっているケースです。本来なら見積書から請求書まで、業務全体を一気通貫でカバーできる高機能なシステムを導入したはずなのに、実際には「見積書を作るためだけに使っている」といった、機能を持て余した使い方になっていることがあります。

これでは、せっかく導入したシステムの価値を、ほとんど活かせていません。システムを導入すること自体がゴールなのではなく、そのシステムが持つ機能を、ルール通りに正しく使いこなすところまでが、本来のゴールのはずです。

結論:本当のDXとは、地味な「仕組み化」の先にある

ここまで5つの理由を見てきましたが、実はすべてに共通する根っこがあります。それは、「業務が仕組み化・言語化されないまま、システムだけを導入しようとしている」ということです。

目的が曖昧なままシステムを入れてしまうのも、価格の安さだけで汎用システムを選んでしまうのも、既存システムとの移行で衝突が起きるのも、システムがルール通りに運用されないのも、元をたどれば「自社の業務の仕組みを、自分たちできちんと把握できていない」ことに行き着くのではないでしょうか。

だからこそ、本当のDXは、派手なシステム導入から始まるものではないと、私は考えています。まず業務を見える化し、仕組みとして整理する。そのうえで、ITの力を使って生産性を極限まで高め、特定の人にしかできない仕事を、誰でもできる仕事に変えていく。属人化を減らし、会社としての力に変えていく。地味に見えるかもしれませんが、この積み重ねこそが、中小企業にとっての現実的なDXなのだと思います。

「システムを入れたら、なんとかなる」ではなく、「まず、自分たちの仕事を仕組みにする」。この順番を間違えないことが、DXを成功させる一番の近道ではないでしょうか。

AI時代の中小企業のIT戦略!

「仕組み化が大事なのはわかったけど、じゃあどうシステムに落とし込めばいいの?」——そんな声が聞こえてきそうです。

実は今、そこを取り巻く環境が大きく変わりつつあります。かつては業務に合わせたシステムを作ろうとすると、専門のエンジニアに依頼し、多額の費用と長い時間をかけるのが当たり前でした。しかし、AIの進化によってシステム開発は「民主化」されつつあります。専門知識がなくても、自分たちの手で、自社の業務にぴったり合ったシステムを作れる時代が来ているのです。

このブログでは、そんなAI開発のノウハウを惜しみなく発信していきます。実際に中小企業の現場でシステムを作ってきた私が、成功のコツも、失敗談も含めて、明日から実践できる形でお届けしますので、ぜひ楽しみにしてください!

よくある質問

Q. DXとIT化は、結局何が違うのですか?

IT化は、これまでアナログで行っていた業務をデジタルツールに置き換えることを指し、DXは、デジタル技術を使って業務のあり方や競争力そのものを変えていくことを指します。IT化はDXを実現するための土台・手段であり、IT化そのものがゴールではありません。

Q. うちの会社は、まだIT化もDXもできていません。何から手をつければよいですか?

いきなりシステム選定から入るのではなく、まずは自社の業務プロセスを見える化することから始めることをおすすめします。「誰が」「どのタイミングで」「何を使って」業務を進めているのかを整理しないまま システムを導入すると、実際の業務とシステムがかみ合わず、かえって非効率になってしまうケースが多く見られます。

Q. 汎用システムと業務に合わせたシステム、どちらを選ぶべきですか?

一概にどちらが良いとは言えません。価格の安さだけで汎用システムを選ぶと、自社の業務フローと噛み合わずに使いづらくなるリスクがあります。まずは自社の業務フローを整理したうえで、そのフローにどれだけ柔軟に対応できるかという観点で比較検討することをおすすめします。

Q. すでに導入しているシステムがうまく使いこなせていません。入れ替えるべきですか?

必ずしも入れ替えが正解とは限りません。まずは、今のシステムが想定通りのルールで運用されているかを確認してみてください。システム自体に問題があるのではなく、運用ルールが曖昧なまま使われていることが原因であるケースも多く見られます。

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